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23回 「にっぽん文明研究所」セミナー
「ニッポン スピリチュアルの世界 part W 講演会 のお知らせ


向暑の候 皆さまにおかれましては ますますご清栄のことと存じます。

日本の伝統文化と新しい文明を見据え、“日本人の霊性”“日本の礼節”  などを主なテーマとして研究会・講座などを企画し、各種の活動を行っております  「にっぽん文明研究所」   では、第23回セミナーを開催致します。

今回は、私共研究会のテーマの講演会です。講師としまして芝大神宮宮司・勝田 勇先生と、東大教授・島薗 進先生のおふたりをお招きします。勝田先生のお話は、この度 増補版を上梓されたご本と同じタイトルの 「未来の神社神道を考える」 変化する社会に対応して です。また執筆・講演にご活躍されている島薗先生には 「地域社会と宗教」 情報環境のなかの宗教文化 を、お話して頂きます。

勝田宮司は神明ご奉仕一筋に四十年の月日を過ごして来られました。科学万能・物質中心の時代、“自然と共生し自然の恵みに感謝し敬虔な祈りの古代の心を、我々は忘れているのではないだろうか。” “― 自然の驚異や神への畏敬の念を失い、道徳感や倫理感の欠如が指摘されている今の社会に対して、神社には、今後果たすべき役割があるのではないだろうか・・・。” 都心の神社の宮司として神への祈りの実践のなか刻々変わり行く世情を観察され、将来に向けた神社のあるべき姿を、著されたご本のなかで熱く語られております。

戦後、わが国は経済復興と高度成長を遂げ、科学・物質文明を繁栄させその恩恵を享受してきました。しかし時の経過と共に、そこには心の歪みが生じそれが徐々に肥大化し社会の精神構造の歪みへと繋がっていることにも我々は気付き始めました。かねてより私は、日本の風土で培かわれた伝統文化を見直し、眼に見えないものへの畏れを失った日本人の心 を取り戻すため、“生活と精神文化の基盤にあった『敬神崇祖』への回帰”を説いてきました。それは私達の祖先・原日本人ともいうべき縄文の人々の霊性と信仰を甦らせようという“古神道精神の復古運動”でもあります。

神職としての先輩・勝田先生と、想いは繋がっております。

嘗ての日本の地域社会は濃い人と人との関わりで共同体が成り立ち、その中に鎮守の杜があり伝統的な仏教寺院が宗教活動を行なってきました。島薗教授は言われます。“宗教に就いての情報は地域社会の人間関係を通して伝えられ、親や先祖が親しんできたことによる確かさがあり、なじみ深さがあった・・・。” やがて近代化・都市化が進み、人間関係にも大きな変化をもたらされます。故郷を離れて都市住民となった人たちは生活に即した教えや実践が展開される新宗教にも心の安らぎと幸せを求め、宗教的な活動を通して新たな共同体を築いていきます。

しかしいま、宗教に対してのイメージはどこか胡散臭さと不信感がつきまとっています。“組織やドグマのもとに結束を強め、集団の上下関係を通して個人をある枠にはめ込み、自分たちだけが正しいという考えに固執するというイメージ を、島薗教授は指摘されます。そして “宗教がそもそもこのような傾向を帯びがちだとすれば、現代の世界はそうした宗教の狭苦しさから卒業し、もっと自由な合理性や霊性に目を向けるべき時ではないだろうか・・・” と言われます。生命倫理や環境問題、介護や心のケア、子育てなど現代人が直面している問題について宗教側からの応答が求められます。情報環境を探索し、人生に役立つ宗教世界を構築させるための指針を得てください。

平成14年6月

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